ビンテージ機材でアナログ感にこだわるSeahorse Sound Studiosを訪問
今日は友人のエンジニアMedhi/メディのL.A.のスタジオを訪問してきました。ビンテージ機器を中心としたレコーディングと音創りに拘った素晴らしいサウンドに感激し通しの一日でした。
メディはバークレイやハリウッドのMIでレコーディングや映像製作を専門にしている有能なインストラクターです。下の写真はメディが編集ミックス用に使うCスタジオ。
ロスアンジェルスの一角にあるこのスタジオはSeahorse Sound Studios。コントロールルームはA, B, Cの3部屋。下のメインスタジオの天井はかなり高く(10m弱)、自然な程よい響きで非常に心地よい残響です。残響のコントロールは可動の吸音壁や円筒形のものを使用。極力後からリバーブを使い過ぎないことを基本としています。
ビンテージNEVE8038、数々のビンテージマイク、スチューダーのA827、など数多くのビンテージアナログ機器で制作するサウンドは圧巻!でした。
下の写真のRCA44BXは、1930年代の放送局用として開発されたりボンマイク(バイディレクショナル)のオリジナルです。アコースティック系、ジャズ系で使われることが多く、非常にナチュラルで太く、その生々しいサウンドには思わずはっとしてしまうほどです。
さすがによいコンディションのよいものがなく、流通も余り表に出ず主に個人間ベースで取引されているようです。
下の写真はノイマンのU67 (1960 – 1971), Multi Directional Tube Condensor Mic。USAではビンテージの価格相場が$10,000とのことです。チューブを使わずにFETでオリジナルサウンドを再現した80周年記念モデルとして発売されたTLM67は当社運営のJ’z Studioでもレコーディングで使用していますが、オリジナルとどんな違いがあるのか試してみたくなりますね。
ハワイ→マリブ→L.A.とオーナーが変わった経緯があるこのメイン卓は、カスタム仕様のNEVE8038。音楽によってはこの卓を使った後は、ほんどEQ処理をせずにほぼ完成となることもあるようで、このスタジオの大きな特徴の一つとなっています。
ビンテージ機器が必ず最高であるとは言い切れませんが、目の当たりにそのサウンドを聞くと鳥肌が立つようなハッピーな満足感を感じる人が多いのではないでしょうか。このスタジオはビンテージ機器、アナログレコーディング、を徹底的に意識していることを特徴としています。ミックスでいかに原音を触り過ぎないようにできるかというのも大きなテーマとしているようです。
今回のレポートでは当社扱いブランドは何も出てきませんが、音楽に携わる人間として良い音を追求し続けるのは必然的で自然な行為。この10年程、主にL.A.やN.Y.の著名スタジオを中心に回ってきましたが、今回はスタジオで録音したサウンドをその場で聞くことができた数少ない経験でした。普段から良い音を追求して、良い音に囲まれていたいですね。