<L.R.Baggs製品探求 Vol.1> Anthem SL取付け
昨年発売となり世界中のギタリストが注目し採用し始めている
L.R.Baggsの最新モデルAnthem(2モデルあり)のスタンダードモデル
“Anthem SL”が下の写真。
エレメント(アンダーサドル・ピエゾ)とTru-Micをブレンドしてサウンド創りをするL.R.Baggsの最高峰デュアルマイクシステム、Anthem SLの取付けプロセスを紹介させてもらいますが、ピックアップの特徴だけでなくギターのコンディションなどに合わせた、かなり専門的な知識と技術が必要となるので、取付けは必ずL.R.Baggs特約店またはアコースティック専門店にご依頼ください。(AnthemカタログPDF)
今回Anthem SL取付け依頼のあったギターはカナダ製で定評のLarriveeギター。あらかじめギターの音色、弦高などを確認しておきます。
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弦をはずし、↓
カポをつけて弦をまとめておきます。
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最初にエンドピンを外しジャックを入れる為のやや多きめの穴を開けます。
(注)特殊な刃を使う作業となる為、この工程は非常に危険です。
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穴あけ後、
ギターの中から取り付けるジャックを通し取付けます。
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次にサドル下に取り付けるエレメント・ピックアップ用の穴を開けます。外側からは見えない穴ですが、ブリッジ周りに傷が付かないよう、またピックアップがブリッジ溝に確実に接地するよう、写真のようにアングルをつけ慎重に作業を進めます。ピックアップを通す反対側にもピックアップの先端を入れる穴を同様に開けます。
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穴あけ後、穴周りのエッジの角でピックアップに傷がつきパフォーマンスが劣化しないように丸ヤスリを使いエッジをスムーズにします。
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ギターの中からエレメント・ピックアップを通してこの作業は完了です。
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次はAnthemの最大の特徴でもあるマイク”Tru-Mic”をボディの中から取り付けます。取り付け場所はちょうどサドルの裏側です。マイクにありがちなフィードバックを回避するオリジナルの構造で(Pat.P)ボディとトップの鳴りを忠実に集音。まさに名前のごとくハイエンドマイクを使ったのと同等のクオリティです。
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その後はギターボディ内の配線です。エンドピンとピックアップからの配線をT字クリップでまとめます。見た目にもシンプルできれいにまとまっている配線は不要なノイズの軽減と共にサウンドクオリティにも好影響を与えます。
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Anthem SLのコントローラーをサウンドホールエッジに取り付けます。黒いのがボリュームそれとエレメント(200Hz以下)とTru-Micの反固定ボリューム(+ドライバーで調整)。Anthem SLはロー〜ミッドローがエレメント(アンダーサドル・ピエゾ)、中域〜高域はTru-Micのデュアルピックアップのバランスを取り基本的なサウンドを決め音作りをするシステムです。
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これからは最終行程です。エレメント・ピックアップを取り付けた厚み分のサドルをサンドペーパーで削ります。サドル底面が完全にフラットになり 、ピックアップとのコンタクトが均一になるように仕上げます。
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サドルを付け弦を張ると外観はピックアップ取付け前と全く変わりはありません。
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弦高やセットアップを目視チェックした後、
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サウンドを確認して終了。
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前述のLarriveeや下の写真はBreedlove, Headway, Morrisなど、ほぼ毎日全国のショップから取付け依頼があり休む暇がありません。L.R.Baggsの製品群には、予算や用途に合わせた数種類のピックアップまたピックアップの性能をフルにサポートしライブやレコーディングで必須のPara Acoustic D.I.やVenue D.I.などのプリアンプがあります。
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(注)ピックアップ取付け後のサウンドは取付けやセットアップの良し悪しで本来のサウンドクオリティが出力されない事が多々あります。ピックアップ取付けとセットアップは熟練のプロのいる楽器店またはリペアショップにお問合せください。(詳しくは最寄りのL.R.Baggs特約店または取扱店まで。)
Anthemのサウンドデータ、製品案内などは下記を参考にしてください。
▶Anthemサウンドデータ
▶Anthem製品案内
▶L.R.Baggs製品案内
▶L.R.Baggs USAサイト