沖仁さんのギターに最適なP.U.をカスタムフィッティング
フラメンコ・ギターの第一人者と言えば沖仁さん。その沖さんからこんなリクエストが。….. レコーディングやステージでもより活躍してもらう為、これから送るギターにL.R.Baggsのオススメのピックアップを取り付けて欲しいという依頼を受けたのが5月の末。そのギターは黒澤哲郎氏製作の沖仁モデル。このモデルは2016年のアコースティックギターマガジンで大きく取り上げられたモデル。
すでに何度も見ている沖さんのライブステージで出されている音のイメージを思い出しながら、マイクのみのLyric、iMIX(ElementとiBeamの組み合わせ)、などでチェックしながら、最終的にAnthem SL Classical(ElementとTure Micの組み合わせ)に行き着き。これならとの思いで沖さんに試してもらったところ、Flamencoギターであること又自分の思う音のイメージではないとのコメントでなんと振り出しに戻る。
アコースティックギターのレコーディングでは、以前より2つのマイクを使うのが一般的。使用するアコースティック楽器固有のサウンドとダイナミクスを再現するのに最も適している手法です。1990年代に、いちはやくその考えを元に製品化したのがL.R.BaggsのDual Source。2つの入力ソースで(アンダーサドルPUとコンデンサーマイク)でブレンドをしてギターの持つサウンドを忠実に再現、しかもライブの環境でも使える画期的なシステムとして紹介されるや多くのアーティストが絶賛、使用することになりました。
通常On Mic(30~50cmくらいの近距離で12フレットあたり)とOff Mic(50cm〜100cm)でどのマイクを使うかどの角度で録って、どのようなブレンドとするか … そのようなイメージを持った2つの入力システムの内、一番当初の原点に近いシステムがDual Source(Element+Condensor Mic)。我々も原点に帰って、このシステムを搭載し、バランス、ギターのサドル形状や弦高調整をして、あらためて沖さんに試してもらったところ下記のコメントをいただきました。(原文のまま)
「ナイロン弦のギターのピックアップというのはスチール弦に比べてハードルが高い。生音とは程遠いサウンドだったり、音は良くてもハウリングに弱くてステージでは使いづらかったり。ピックアップを埋め込むことで生音が鈍ってしまい、取り付けたピックアップを外してしまったこともあった。このDual Sourceは、そうした数々のハードルを見事にクリアーしてくれた。元来の楽器の響きを損なわず、アンサンブルの中でしっかり抜けてくるサウンドを保証してくれる。沖仁」
我々も新たにL.R.Baggsの原点を見直すことができたチャレンジングな1ヶ月ほどの期間でした。これからこのギターが沖さんのどんな曲を奏でるのか、今後の彼の音楽とこのギターにも注目したいと思います。
・沖仁オフィシャルサイト
http://jinoki.net/
・L.R.Baggs日本語サイト
https://jes1988.com/lrbaggs/index.html