Stadium D.I. 吉池千秋さんレビュー!
小田和正や安倍恭弘などのサポートで多忙なベーシスト吉池千秋さんが、L.R.Baggsのベース用プリアンプStadium D.I.を現場でバリバリ使っておられます。ホットなレポートが届きましたので、さっそくご紹介させていただきます。
<以下、吉池千秋氏によるレビュー>
今年のNAMMショーで話題のベース用プリアンプD.I. L.R.BaggsのStadium Electric Bass D.I.を、ここ3ヶ月ほどスタジオやライブでテストさせていただきました。
昨年のNAMMショーで発表されたSession Acoustic D.I.は、すでに僕のアップライトベースには欠かせないD.I.になっていますが、今回のStadium Electric Bass D.I.は、主にエレクトリックベース用に開発されたというプリアンプです。
まず簡単に説明すると、普段ベースアンプで気持ち良い感じに音作りをしても、PA卓の方にはラインのクリーンだけど細いサウンドが、送られていたりすることが多々あります。Stadium Electric Bass D.I.はその音の差をなくすことができるプリアンプD.I.です。
これは昨年発売のSession Acoustic D.I.と同じく、VUメーターでまず入力ゲインを決めてから、適切なボリュームを設定していくという、とても簡単な基本設定から始まります。
そしてボリューム横のfatスイッチは150Hz付近を持ち上げられるので、例えば小さな会場や小さなステージで、アンプが使用できないラインのみの場合などに、アンプから出ているような低音をflat,3db,6db,と、ブースト量を選んで出力できるので重宝します。
fatスイッチの下のdriveは歪みスイッチです。
そして、下段の3つのつまみは左からAttack, Growl, Comp EQです。
Attack,は2KHzをブースト、カットできます。キラっとした部分を足すか引くかといった感じです。ブーストすればエッジの効いたスラップなどに向いたトーンが得られ、逆にカットしていくとヴィンテージなトーンになっていく感じです。(楽器のトーンを絞るような感じです)
そして真ん中のGrowlはいわゆるサチュレーション的な効果で、若干の歪みと倍音が足されて真空管アンプを鳴らしているような、暖かみと存在感が出ます。
右のつまみはComp EQです。個人的にはこのComp EQが一番のお気に入りなのですが、マルチバンドのコンプで掛かり方が非常にナチュラル、音色変化がとても少ないです。コンプの好みは人それぞれ違いますが、僕は出来るだけ音色変化が少ないのが好みです。このComp EQはスタジオなどにあるラックタイプの、高級コンプに匹敵するくらい高品位な効き方とサウンドです。
個人的にはD.I.といえばTDC BASS DIやRadial J48 を使っていますが、Stadium Electric Bass D.I.の場合、D.I.ということはもちろんですが、良いチューブアンプやスタジオクオリティのコンプなどを、全部持ち歩くのと同じ効果が片手で持てるコンパクトサイズになっているので、常にギターケースに入れて持ち歩いています。
そしてこれはちょっと裏技かもしれませんが、エレクトリックベース用に開発されたとうたっていますが、ライブでアップライトベースにつないで試したところ、これがエレキベースと同じに効果が感じられることがわかりました。主に使ったのは真ん中のGrowlというつまみで、これを多めにかけてやると、ラインなのに、アップライトの空気感や自然な太さが足されて、とても良い感じになりました。
他に便利な使い方としてはプリアンプをスルーした状態と、オンにした状態で2種類の音色になるので、曲によって音色を変えたり、エレキベースとアップライトベースであえて1つのD.I.で、プリアンプのオンとオフで音色を切り替えて使うなど、ライブでもレコーディングでも、高品位な音色を感覚的な操作で手軽に行なえる、Stadium Electric Bass D.I.素晴らしいプリアンプD.I.です。
以上、吉池千秋さんによるStadiumベースプリアンプ・レビューでした。
Stadium Di.I. 製品ページ:http://www.jes1988.com/lrbaggs/stadiumdi/
吉池千秋オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/bass-chiaki2011/