Session Acoustic D.I. レビューby Slack-Key MARTY
美しく響くギター奏法とファルセット・ボイスが人気のスラッキー・ギタリスト&ボーカリスト、Marty Koawood (Slack-Key MARTY)さんからL.R.Baggsのアコギ用プリアンプSession Acoustic D.I.のレビューが届きましたので紹介させてもらいます。
ウクレレ&ボーカルのNOLIKOさんとのKO’OLUAのユニットでも活躍中。プロフィールはこちら。http://www.slack-key-marty.com/
<SESSION ACOUSTIC D.I.レビュー>
by Slack-Key MARTY
「いろいろなステージ(コンサート・ホールからライブハウス、小さなカフェ、あるいは屋外ステージ等)で演奏する時に、当然それぞれの環境は違っている。
演奏会場固有の音の響きはもちろん、時間的な制約も環境のうちである。ゆったりと確保された時間でのサウンド・チェックやリハーサルならじっくりと音作りに取り組むことができる。
しかし、なかなかそうはいかない演奏現場もある。
さて、私は歴代のL.R. Baggsのプリアンプ・D.I.を愛用してきたけれど、この『SESSION ACOUSTIC D.I.』が、私にとっては一番扱いやすい機種だ。
ギリギリのタイム・スケジュールで会場に飛び込んで、バタバタとセッティングして・・・「はい、本番。」ということも多々あるものだ。
そんなときに、音作りがなかなか決まらないと、本番前の大きなストレスになってしまう。ストレスを引きずってのステージはやりたくない。満足の行く音作りがササッと完了すると、精神的にも余裕が生じ、その分テンション・アップでステージに臨むことができる、というものだ。
もちろん、各機種の特徴・特性があるわけだが、『感覚的に扱える』という点では傑出した機種ではないか、と思う。低音域、中音域、高音域を別々に足し引きして音を組み立てるのではなく、『サーチュレート』と『コンプEQ』のふたつのノブをくるくる回してみて、気に入った音の響きのところを探ればいいだけ。
周波数がどうとか、コンプレッサーがどうとか・・・そういう知識がなくても、実に簡単に扱える。そして、前述のごとくバタバタした時間環境下においても、ありがたく頼もしい機種なのである。
まず、最初にセッティングするのは、ゲインだが、これは楽器毎に設定を決めておけば、現場毎に調整する必要はない、と思う。次に、ボリームをだいたいのところに設定して、微調整は後で。
それから、下段に並んでいる『ノッチ』、『サーチュレート』、『コンプEQ』はとりあえずOFF状態から。実音を出しながら『サーチュレート』を回していく。回し過ぎるとボワンボワンの正体不明の音になってしまうことがあるので、適当な心地よい空気感が出たところでストップ。そして、『コンプEQ』を回して好みの音の輪郭を探り出す。あと、『ノッチ』は必要に応じて回すだけ。
これは、私の手順であるが、これによって音作りのセッティングが格段に楽になった。ともすれば、あれこれと音をいじっているうちに訳が分からなくなってしまうことがある。とくに時間制約などで焦っていたりすると、なおさら。
しかし、ふたつのノブをくるくる回すだけのシンプル操作は、そんなイラついた状況に陥ってしまうことを回避することにもなっている。
もしかしたら、従来機種のように各音域を個々にイコライジングすることによってこそ、より細かな音の組み上げができるのかもしれないが、私の『現場』にとっては、『SESSION ACOUSTIC D.I.』のシンプル操作が大きな魅力である。」
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